水の環境戦略 (岩波新書) |中西 準子
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水の環境戦略 (岩波新書)
中西 準子
岩波書店 刊
発売日 1994-02
やや古いがリスク管理の考え方がよく分かる良書 2009-06-07
本書は上下水道や工場排水処理のあり方をリスク管理の視点から論じている。
本書のほとんどが上水道の水質管理について書かれているが、私が印象に
残ったのは「流域下水道という発想そのものが誤りである」ということだった。
流域下水道とは複数の市町村にまたがるような大規模な下水道のことだが、
これはコストがかかりすぎる上、汚水を地下にもぐらせて下流(多くの場合、
海周辺)の処理場で処理することから途中の河川で再利用できず、また河川
の水量も減ってしまう。即ち貴重な資源である水が循環しないのでダメなのである。
また工場排水は下水道に排出せず工場が自前で処理し河川に放流すべきとのこと。
今まで気づかなかったが良く考えれば当たり前だ。工場排水中の有害物質
が入ってしまえば下水道処理水や汚泥が再利用できない。
筆者は市町村ごとに小規模な下水処理場をつくり、浄化水を河川に戻すことを主張している。
また昔合併浄化槽の個人設置が禁止されていたことは本書で知った。なぜだろう?
現在は逆に単独浄化槽が新規設置禁止となっている。今でも約500万基が使用されているが。
中西 準子
岩波書店 刊
発売日 1994-02
やや古いがリスク管理の考え方がよく分かる良書 2009-06-07
本書は上下水道や工場排水処理のあり方をリスク管理の視点から論じている。
本書のほとんどが上水道の水質管理について書かれているが、私が印象に
残ったのは「流域下水道という発想そのものが誤りである」ということだった。
流域下水道とは複数の市町村にまたがるような大規模な下水道のことだが、
これはコストがかかりすぎる上、汚水を地下にもぐらせて下流(多くの場合、
海周辺)の処理場で処理することから途中の河川で再利用できず、また河川
の水量も減ってしまう。即ち貴重な資源である水が循環しないのでダメなのである。
また工場排水は下水道に排出せず工場が自前で処理し河川に放流すべきとのこと。
今まで気づかなかったが良く考えれば当たり前だ。工場排水中の有害物質
が入ってしまえば下水道処理水や汚泥が再利用できない。
筆者は市町村ごとに小規模な下水処理場をつくり、浄化水を河川に戻すことを主張している。
また昔合併浄化槽の個人設置が禁止されていたことは本書で知った。なぜだろう?
現在は逆に単独浄化槽が新規設置禁止となっている。今でも約500万基が使用されているが。